現在、TBS系ドラマ『MIU404』で主演を務めている俳優の綾野剛さん。ダブル主演の星野源さんと丁々発止な会話劇やド派手なカーアクションを繰り広げ、早くも話題となっています。今回はそんな綾野さん出演の「一番好きな作品」をテーマにアンケートを実施(※)。徹底した役作りでアクの強いキャラから爽やか好青年まで自在に演じ分け、“憑依型”の役者として評価を確立した今、ファンの皆さんはどの作品を選んだのでしょうか……?
※物語の内容に触れる描写がありますのでご注意ください
※ORICON NEWS公式Twitterアカウントにて実施 総票数:152
記事制作/オリコンNewS
5位(5票)【クレオパトラな女たち】黒崎裕(くろさき・ゆう)
●2012年4月期日本テレビ系ドラマ
佐藤隆太さん主演で、綾野さんのほかに稲森いずみさん、北乃きいさん、三浦翔平さんらが出演したドラマ。幼少期の経験から“女性不信”になってしまった形成外科医・岸峯太郎(佐藤さん)が大学病院から都内の美容整形専門クリニックに移り、クリニックの腕利き美容外科医・市井睦(稲森さん)や女性スタッフ、患者らと接していくなかで女性観を変化させ、医師としても成長していく物語です。
綾野さんが演じた黒崎裕は、峯太郎の中学・高校時代の同級生で、東京都庁の都市整備局に勤務する人物。中性的な雰囲気を持ち、ゲイであることを公言しています。父親の借金返済で困っている峯太郎を心配し、自分のアパートに住まわせていますが、一方で峯太郎に対する自分の思いがかなわないことに悶々とした感情を募らせるという繊細な役を見事にこなしていました。
ファンからは「片思いをしている裕君が本当に切なくて、でもカッコイイ同居人で、綾野剛さんを好きになるきっかけをくれた作品です」「とにかく繊細で儚くて切ない表情が最高にカッコよすぎる、絶対惚れる」「いじらしい恋心と献身を薄い胸板に秘めている、あの時にしかできない役でした」といった感想が寄せられました。
4位(7票)【そこのみにて光輝く】佐藤達夫(さとう・たつお)
●2014年公開映画
●原作:『そこのみにて光輝く』(佐藤泰志/河出書房新社)
●監督:呉美保
綾野さんが主演を務め、池脇千鶴さん、菅田将暉さんらとの体当たり演技が話題を呼んだ映画。造船所を辞め、函館の街でブラブラと自堕落な日々を過ごしている無職の男・佐藤達夫を綾野さんが演じています。達夫はある日、仮釈放中の日雇い労働者・大城拓児(菅田さん)とパチンコで知り合い、バラックに住む大城一家の事情を知るなかで、拓児の姉・千夏に惹かれていくという役どころ。
監督の許可を得て毎晩酒を飲み、顔をむくませて撮影に臨んだり、寒さに耐えながら函館の海に入ったりと、まさに体当たりだった綾野さんの演技。舞台あいさつでは「生命の危機を感じた」とも語り、タフなロケだったことをうかがわせました。
映画『そこのみにて光輝く』舞台あいさつ 後半(2:55~)には予告編も
映画『日本で一番悪い奴ら』など、アウトロー役のハマっぷりにも定評のある綾野さんですが、ファンも「抱かれたいと思わせる男臭さと色気と目の奥の光」「自堕落な生活をして過ごす主人公のヤサグレ感。役作りを聞いて驚くことばかりでした。菅田将暉君、池脇千鶴さんとともに、いろんなつらいストーリーではあるものの、熱演が心に響きました。ラストシーンの光が今でも忘れられないです」など、荒々しく刹那的な男の魅力が印象に残っているようです。
3位(12票)【怒り】大西直人(おおにし・なおと)
●2016年公開映画
●原作:『怒り』(吉田修一/中央公論新社)
●監督:李相日
渡辺謙さん主演で、宮崎あおいさん、松山ケンイチさん、妻夫木聡さん、森山未來さん、広瀬すずさんら主演級のキャストが多数集結した一作。東京・八王子で若い夫婦が惨殺され、犯人は「怒」という血文字を現場に残し逃走。1年後、千葉・東京・沖縄に身元不明の3人の男が現れ、それぞれ周囲の人たちと関わりを持つようになります。しかし、警察が八王子事件の犯人のモンタージュ写真を公表したことから、それぞれ人間関係が揺らいでいくというストーリー。
“東京編”に登場する素性の知れない男・大西直人役の綾野さんは、会社員・藤田優馬役の妻夫木さんとカップルを演じており、濃厚なラブシーンも衝撃的でした。会見で2人は、役作りのために同居生活を送りながら撮影に臨んでいたと語っており、綾野さんの徹底した役作りは今作でも存分に発揮されています。
映画『怒り』予告編
ワイルドでたくましい肉体の優馬とは対象的に、猫背で華奢(きゃしゃ)な直人の出で立ちは今にも消えてしまいそうな儚さ。ファンからも「謎のある役で最後がかなり切なく悲しくてほろほろ泣けてくる役でした」「透けて見えそうな透明感ある人物をリアルに存在させた奇跡。最高です」「彼の纏(まと)う空気や言葉、仕草全てが儚くも愛おしさを感じて、初めて演技で俳優さんを好きになりました」など、繊細で危ういキャラクター像に感動の声が多数寄せられました。
2位(17票)【コウノドリ】鴻鳥サクラ(こうのとり・さくら)
●2015年10月期(第1シリーズ)/2017年10月期(第2シリーズ)TBS系ドラマ
●原作:『コウノドリ』(鈴ノ木ユウ/講談社)
病院の産科を舞台に、新たな生命の誕生に向き合う医師たちの活躍や葛藤を描くハートフルドラマ。主演の綾野さんは、ピアニストとしても活動する異色の産科医・鴻鳥サクラを演じ、過去に演じてきた役のイメージとは一線を画す、優しく聡明なキャラクターを演じ視聴者を虜にしました。現在ドラマ『MIU404』でバディを組む星野源さんとはこのドラマでも共演しており、星野さんはサクラと同期の産科医・四宮春樹を演じています。
この投稿をInstagramで見る
綾野さんが演じたサクラ先生は温厚で優しい性格ですが、出産にともなう厳しい現実も直視し力強い言葉を発することができる人。人間としての“器の大きさ”にホッとさせられます。一方でピアニスト「Baby」としてステージで演奏する姿は色気たっぷりで……綾野さんが演じてくれたことに手を合わせて感謝したくなるハマり役でした。
この投稿をInstagramで見る
「綾野さんが演じるサクラ先生の優しい声と雰囲気。それが今まで演じてきた役柄とのギャップがとてつもなく、心を鷲掴みにされました。ファンになるきっかけとなった作品です」「暖かくて陽だまりのような笑顔と、静かな怒りや葛藤を、演技を通して表現されていたのが印象に残っています!」「赤ちゃんやその家族のことを第一に思い、優しく寄り添う姿に毎回涙無しでは、見られませんでした。本当にあのような先生がいたらいいのに!って思いました」とサクラ先生の優しさと強さに支持が多く集まりました。
1位(67票)【空飛ぶ広報室】空井大祐(そらい・だいすけ)
●2013年4月期TBS系ドラマ
●原作:『空飛ぶ広報室』(有川浩/幻冬舎)
航空自衛隊の広報室を舞台にした作品で、主演は新垣結衣さん。テレビ局ディレクターとして航空自衛隊を取材することになった稲葉リカ(新垣さん)が、不慮の事故でブルーインパルスのパイロットの道を断たれ広報室に異動となった、綾野さん演じる空尉・空井大祐と心を通わせていくストーリー。今回、圧倒的な支持を集めて1位に輝きました。
空井は、夢を断たれた失意の底から、前を向き “再生”していく文字通りの好青年。リカと関わり合うなかで広報官としてのやりがいを見出し、元戦闘機パイロットとしての専門知識や視力の良さを遺憾なく役立てていきます。そして、次第にリカに惹かれていく空井が彼女へ向ける眼差しや笑顔が、ほんとうに屈託なく“かわいらしい”のです! 改めて俳優・綾野剛の芝居の幅を見せつけた一作と言えるでしょう。
元気をもらえて心から応援したくなる空井、そしてリカとの恋にファンからも絶賛の声が多数寄せられ、「とにかく空井くんが可愛い」「とにかく爽やか! かっこいい! かわいい! 空井役が完璧に当てはまっていて素晴らしい!」「真っ直ぐな感情表現がワンちゃんみたいで母性本能をくすぐられる」「自分の夢に挫折し、葛藤を抱えながらも、違う形で夢に関わっていく姿、素敵でした。ブルーインパルスの存在も知りました」「不器用で真っ直ぐな自衛官の空井さん、最高! オクテのくせに『2秒ください』で狼になっちゃうギャップに萌え転がりました!」など、綾野さんにキュンキュンさせられまくりの様子でした。
この投稿をInstagramで見る
ブレイク前は悪役やクセの強い役で注目されることも多かった綾野さんですが、こうして見ると、今や驚くほど振れ幅の大きい芝居で評価を得ていることがわかります。現在『MIU404』で演じている伊吹藍(いぶき・あい)も、掴みどころのない軽い物言いにどこかワケありな“過去”も感じさせるキャラクター。綾野さんにとっての新境地、新たな代表作となることを期待したいと思います!
■関連記事■