恋愛リアリティショー『月とオオカミちゃんには騙されない』に出演し、一気に若い世代から注目を集めた、次世代ガールズ・ユニオンFAKYのHinaさん。彼女のトレードマークはまっすぐに切りそろえられた“ぱっつん前髪”。そのヘアスタイルが誕生したのは、小室哲哉さんのひと言がきっかけでした。風に吹かれても、激しいダンスをしても定位置に戻るセットの工夫や、考え抜かれたヘアメイクとのバランスなど、並々ならぬ前髪へのこだわりをたっぷり伺いました。
撮影:田中達晃/Pash 取材・文:東海林その子
記事制作:オリコンNewS
ぱっつん前髪は、小室哲哉氏の一言で生まれた
――現在のぱっつん前髪にする前は、どんな髪型でしたか?
明るめの茶髪で、前髪は長かったので分けていました。以前所属していたDef Willというグループができたとき、初めて全員が揃った撮影で、プロデューサーだった小室哲哉さんが「一旦(撮影を)ストップしてHinaの前髪を切りたい」とおっしゃったんです。
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――小室さんから言われたとはいえ、戸惑いますよね。
マジか!って思いました(笑)。まさか、そんなことを言われるとは思っていなくて、でも小室さんを信じて付いて行こうと思っていたので、すぐ受け入れられましたね。「大丈夫でしょ!」って。
――小室さんが「前髪を切りたい」と言ったのは、なぜだったと思いますか?
なんでだろう……。当時のメンバーに前髪ぱっつんの子はいなかったし、そういうバランスを見ておっしゃったんじゃないかなと。「この髪型が定着するまで、3年くらい変えないでほしい」とも言われたので、「黒髪ぱっつんといえばHina」っていう、わかりやすいアイコンにしたかったのかなと思っています。
――周りからの反応はいかがでしたか?
めちゃめちゃびっくりされました。当時はDef Willが始まることも解禁される前だったので、「急にどうしたの?」って。親もびっくりしていました。「小室さんに言われて(切った)」って話したら、すぐ納得していましたけど(笑)。
――前髪のバランスについても、小室さんから指示があったのでしょうか?
最初は撮影現場でヘアメイクさんが切ってくださったんですけど、隣で小室さんが見ていて、「もうちょい切って」ってチェックされましたね。わたしはされるがままでした(笑)。
――そのバランスはずっと変わらないんですか?
いや、そのときのわたしの気分で変わっています(笑)。これまでの統計的に、冬は長くしたくなって、夏は短くしたくなります。服装とのバランス感もあるんですけど、たぶん人が見てもわからないくらい数ミリ単位の話なので、劇的に変わったようには見えないですね。
――ご自分で調整するんですか?
月に1回、美容院に行ったときにちょっと短めに切ってもらって、伸びてもいいようにしているんですけど、週1くらい、自分でまっすぐに切っています(笑)。最初はギザギザになることもあったんですけど、今はベストなハサミを見つけて、ジョキッと切っていますね。かなり慣れたので、上手な方だと思います(笑)。
――ぱっつん前髪にして、大変なことはありますか?
夏は帽子をかぶることが多いので細心の注意を払わないといけないのと、一度崩れちゃうと1からセットをやり直したいって思ってしまうので、それは大変かもしれません。帽子の跡もつきやすいので。
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――セットは時間がかかりそうですよね。
セットにかかるのは5分くらいなんです。朝起きたら前髪を一回濡らして、ドライヤーで乾かしながら寝癖を全部リセットして。夜はお風呂に入って髪を洗って、乾かして整えたらそのまま寝ています。
――前髪のセットに欠かせないアイテムはありますか?
YouTubeでも紹介したんですけど、ジョンマスターオーガニックのコンボパドルブラシはとてもいいです。毎日使って日に日によくなっているなって感じるわけではないんですけど、例えば遠征で忘れて2〜3日ホテルのブラシを使うと全然違うんです。ヘアケアはオイルとかを重視しがちですけど、やっぱり毎日使うものが大事なのかなって気づきましたね。あのブラシは本当にオススメです。
――毎日使うものでいうと、ドライヤーなどはいかがですか?
ドライヤーは、誕生日プレゼントでいただいたパナソニックのナノケアシリーズを使っています。早く乾くし、ケアもしてくれるので気に入っていますね。今はダイソンのドライヤーも気になっています。
――アイテム以外に、セットの工夫やこだわりはありますか?
前髪にだけストレートパーマをあてています。ライブで汗をかくと、もともとくせ毛だから浮いてきちゃったりするんですよ。美容師さんと相談して量を変えたりもしたんですけど、根本的な問題かもしれないと思って、ストレートパーマをあてたらそれが大正解でした。そこから3年くらい、2ヶ月おきに前髪だけストレートパーマをあてているんです。
【本邦初公開】前髪の作り方紹介
“第六感”が開眼? 前髪の感覚が発達
――Hinaさんのダンスを見ていると、どんなに激しい動きのあとでも前髪が定位置に戻ってきますよね。
わたしも不思議です(笑)。でも「こう動けば前髪が戻ってくるんだ」というのがわかってきたので、ある程度髪の毛の扱い方を習得できたのかもしれないです。
激しいダンスでもずれない前髪に注目
――ストレートパーマ以外で工夫されることはありますか?
普段はワックスしか使わないんですけど、ライブの前はスプレーでちょっと固定したり、あとはフォーメーションで後ろを向いているときや振りの途中でさりげなく直したりします(笑)。
――ステージだと鏡を見ることができませんが、感覚でわかるものですか?
わかるんですよ。だから鏡がなくても大丈夫。……第六感ですよね、前髪付近の感覚がすごく発達しているのかもしれない(笑)。
――すごい技術です(笑)。ぱっつん前髪の有名人の方はたくさんいらっしゃいますが、Hinaさんが憧れている方はいますか?
モデルの秋元梢さんですね。わたしよりずっと前から黒髪ぱっつんで、アイラインや赤リップが印象的な方です。だけど、今のわたしが梢さんみたいな強めのメイクをしても様にならないと思うんです。きっと、これまで経験してきたことが内から出ているからこそ、あの強めのメイクが似合うのだと思うので、すごくリスペクトしています。
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秋元梢さん
――Hinaさんと同じくダンスをしている方だと、Perfumeのかしゆかさんもぱっつんのイメージが強いです。
そうですね! かしゆかさんも、どんなに動いてもブレずにあの髪型を維持しているからすごいです。わたしはライブで前髪が崩れちゃうこともまだまだあるんですけど、かしゆかさんは崩れているイメージがないから、キープする方法があったら聞きたいですね。
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Perfumeのかしゆかさん(写真左)
――気になりますね(笑)。ヘアメイクは、前髪を切ってから変化しましたか?
そのときどきにハマっていることや好きなことでメイクも変わるんですけど、どんなヘアメイクでも前髪ありきの顔のバランスを大事にしていますね。今は、この前髪が、生まれたときからあったみたいな感覚です(笑)。
――HinaさんがYouTubeにアップしていた動画「前髪の作り方」では、眉毛のナチュラルさがファンの間で話題になっていました。ぱっつん前髪は眉毛やアイメイクとのバランスも大事ですよね。
眉毛は東京に来て最初にメイクをしてもらったときに、「骨格やパーツのバランス的に、太いほうが似合うから、そのまま育てたほうがいいよ」って言われて、そこからあんまりいじらないようにしています。表情って眉毛で変わるじゃないですか。前髪があると眉毛が見えないからミステリアスに見えるらしいので、その効果もあって眉毛が見えたときに「意外としっかりしてる!」って思われるのかなと(笑)。
アイメイクは、濃くしすぎないようには気をつけています。メイクするのにビューラーを3種類使うくらいまつ毛も好きでこだわりがあるんですけど、私の目の形や大きさからするとまつエクをするとボリュームが出て重すぎるんです。前髪とのバランスを実験みたいに探っていって、今のこのメイクに行き着きました。撮影で前髪を上げたり、分けたりすることもあるんですけど、そうすると全体的なバランスがまったく変わりますね。
ぱっつん前髪を生かしたヘアアレンジも紹介
男性の理想の髪型は? 「昔は“サッカー部”、今はロン毛が好き」
――Twitterでは「前髪ないと無理だ落ち着かない」ってつぶやいていましたよね。
落ち着かないです。一気に自信がなくなりますね(笑)。前髪に変化があるのも好きなので、アレンジをするともちろん楽しいんですけど、「大丈夫かな?」って不安にもなっちゃって。前髪があったほうが堂々としていられます。
――Hinaさんといえば『月とオオカミちゃんには騙されない』への出演が話題になりましたが、髪型に関して出演者の方と話すことはありましたか?
番組初回の頃は、今よりもっと緑色が強く入っていたから、パンチの強い人が来たな~って思われていたと思います(笑)。わたしはアーティストだから自由にできるところがあるので、「どうやって染めてるの?」とかは聞かれましたね。髪型の話は結構聞かれて話をしていた気がします。
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――グリーンでよりミステリアスな雰囲気が際立っていますよね。
小室さんには黒髪ぱっつんでいてほしいって言われていたんですけど、一時期黒髪に飽きちゃって、「ぱっと見は黒だけど、光に当たると色が入っているような感じならいいですか?」って相談しました。そしたらOKをもらえて、美容師さんと相談して行き着いたのがこの深めの緑で。室内だと黒く見えるんですが、光が当たれば色が出ます。2年くらいずっと同じ色です。
――他のカラーにしたいと思うことは?
あります! 真っ白に近い金髪とかやってみたいんです。でも、いざ「やっていいよ」って言われたら、そんな勇気はない(笑)。でも憧れはめっちゃあります。
――ぜひ見てみたいです。
私も見てみたいです(笑)。
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白髪ウィッグのHinaさん
――ちなみに男性の好きなヘアスタイルはありますか?
もともとはサッカー部っぽい、爽やかな髪型が好きだったんですけど、今はロン毛の人が好きです。高校卒業してから初めてロン毛の人と付き合って、最初は嫌だったんですけど、そこからちょっとクセになっちゃって(笑)。ロン毛の人が髪を束ねているのとかいいですよね~。自分はこれだけこだわっていますけど(笑)、男性は「ある程度は気を遣っている」くらいのナチュラルな感じが好きです!
――ヘアカラーはいかがですか?
あんまり気にしないかな。シンプルなほうがいいので、ピンク!とか、あまりにも奇抜だとびっくりしちゃいますけど。その人の好きなカラーでいいと思います。
――男子の前髪も気になりますか?(笑)
気になりますね。女子はわりとバリエーションがあるけど、男の人は大変そうだなって。結構見ちゃうかもしれませんね、余計なお世話でしょうけど(笑)。
3年かけてもたどり着けない前髪の奥深さ
――では、Hinaさんにとってぱっつん前髪とは?
ずっと言っているんですけど、「前髪の安定は精神の安定」ですね、本当に。前髪が不安定だと、どれだけ化粧がうまくいって、すっごいかわいい服を着ていても、家から出たくなくなっちゃう。安定していればしているほどいい、って感じです(笑)。
――これだけ慣れていても、うまくいかない日はあるんですか?
全然あります。湿気に弱いから、これからの季節は戦いですね。軽いとクセが出やすいので、いつもより量を増やして重くして。……ヤバイですよね。普通、前髪にこんな時間かけないですよね(笑)。
――それがHinaさんのトレードマークになっていますから(笑)。今後、ヘアスタイルに関して挑戦してみたいことや目標はありますか?
まず自分の髪の毛の事情だと、実は今、エクステをつけていて。
――そうだったんですね! まったく気づきませんでした!
地毛とエクステの長さは同じくらいなんですけど、量感がほしくてつけています。なので、まずはこのエクステを外せるくらいまで育毛を……、いや違うな(笑)。地毛をケアして、伸ばしたいです(笑)。
あと、黒髪ぱっつんがアイコンになっている方ってたくさんいると思うんですけど、わたしも美容院で「Hinaの髪型にしてください」って言われるような存在になりたいですね。今も真似してくれたり、髪型について質問をくれるファンの方がいるんですけど、自分がこだわっているものに反応をもらえるのはやっぱりうれしくて。頑張ります!
――Hinaさんのおうち時間についても聞かせてください。この期間で、生活の変化はありましたか?
この冬めちゃめちゃ忙しくてお休みが全然なかったのが、急にお仕事がストップしたので、最初はどうやって過ごせばいいかわからなかったんです。最初は長い時間、携帯を触っていたんですけど、ずっとSNSを見ているのも疲れちゃうし、1日があっという間に終わるじゃないですか。それがちょっと怖くなったので、携帯を触る時間を短くして、今まであんまり観なかったジャンルの映画や読んだことのない作家さんの本を読む時間に使うようになりました。
――印象的だった作品を教えてください。
映画は、最近だと『イエスタデイ』を観ました。ストーリーももちろんよかったんですけど、主人公の声がすごく好きでサントラをすぐダウンロードして。「歌が聴きたいからもう一回観よう」と思ったのは初めてだったから、もっと早く観ておけばよかったなって思いました。本は東野圭吾さんの『夢幻花』を読みました。ミステリー系はあんまり読まなかったんですけど、とても面白くて、他のミステリーも読むようになりました。
映画『イエスタデイ』トレーラー
――携帯を触らなくなって、精神的な変化もありましたか?
ありますね。SNSを見ているとエゴサをしちゃったり、自分がどう見られているかを常に気にしてしまうんですけど、携帯を見なくなってあまり気にしすぎないっていうマインドに落ち着くことができたし、自分のペースで興味のあることに費やす時間の使い方を取り戻せた気がしていて。いい変化だったなと思います。
プロフィール
Hina(ひな)
1997年2月19日生まれ。京都府出身。『avex GIRL'S VOCAL AUDITION』で6000人の中から決勝に進出。2015年に小室哲哉氏プロデュースの5人組ガールズグループ・Def Willとしてデビュー、18年に解散。その後、FAKYのメンバーに大抜てきされ、18年12月に加入。抜群のスタイルとキュートなルックスを生かし、モデルとしても活躍中。ABEMA『月とオオカミちゃんには騙されない』に出演し、ティーンから支持を獲得。Instagram、TikTok、Twitter、YouTubeのフォロワー数は合計で120万人を突破している。
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