「芸人は“箱推し”」 久保ユリカ、お笑いにずっと救われ続けている 和牛・千鳥・ラーメンズを語る

久保ユリカ

声優アーティスト・久保ユリカさんはコロナ禍前には「ルミネtheよしもと」に通っていたお笑い好きで、「芸人さんは“箱推し”」、つまり芸人という存在全体を応援しているとのこと(!)。大好きな千鳥に遭遇したときのこと、学生時代に大ファンだったラーメンズのこと、ジャルジャルに影響を受けたラジオ番組のあいさつ、そして『M-1』の“漫才論争”についても熱く語っていただきました。本業のイベントで笑いの立ち回りを考えているという驚きの発言も飛び出します!

撮影:平野敬久 記事制作:オリコンNewS
ヘアメイク:大久保沙菜 スタイリング:鹿野 巧真 衣装協力:RANDA

仲良くリスペクトしあっている芸人に「ずっと救われている」

久保ユリカ

――久保さんは奈良出身で、関西圏では吉本新喜劇が日常的にテレビで流れているかと思いますが、幼い頃からお笑い好きだったのでしょうか?

ちっちゃい頃は吉本新喜劇が毎週土曜日にテレビから流れているのが日常的すぎて、自分がお笑い好きで見ている感覚はなかったですね。「私ってお笑いが好きなんだな」と実感したのは、実はこの2~3年です。仲のいい友達は笑いのツボが近い人ばかりだなと思ったときに初めて自覚しました。

とはいえ、新喜劇で見ていた芸人さんの持ちギャグはずっと頭に残っていますし、千鳥さんがMCの『相席食堂』(ABCテレビ 毎週火曜23:17~)に新喜劇の島田珠代さんが出演されたとき(2020年9月放送)も懐かしかったです。SNSでは関西圏在住ではない方たちが「島田珠代?」ってものすごく盛り上がっていて、改めてこんなにすごい方だったんだと思い、うれしくなりました(笑)。           

「パンティーテックス」を披露する島田珠代さんは2:33~

――「パンティーテックス」ネタで強烈なインパクトを残しましたもんね(笑)。他にも関東と関西のお笑い文化の違いを感じることはありますか?

バラエティー番組ではないですが、『おはよう朝日です』(ABCテレビの朝の情報番組)って全国でやっているものだと思っていたんですけど、関西ローカルなんですね。ABCとテレビ朝日が違うことさえわかっていなかったんです。

『おはよう朝日』は朝からバンバン芸人さんが出ているのがふつうでしたし、いまだに奈良に帰ったときにシャンプーハットさん(『おはよう朝日土曜日です』コメンテーター)が出ているのを見ると、なんか関西っぽいなと思います。「お店に入る前、靴脱ぐよね」みたいなくだりも(シャンプーハットこいでさんの定番ボケ)、関東ではわかる人しかわからないと思うので(笑)。           

久保ユリカ

――住み慣れた関西を離れて、久保さんが「お笑いに救われた」と感じた瞬間などはあったのでしょうか?

上京して一人暮らしを始めたばかりのころ、標準語に全然慣れなくて……関西弁を求めすぎて、GYAO!でチュートリアルさんやライセンスさんが無限にトークしているだけの番組をずっと見ていました。自分に話しかけているわけではなくても、コンビのお二人が関西弁で楽しそうにしゃべっているだけで、すごく癒やされたし、楽しいなと思ったんですよね。

最近「私ってどういうお笑い芸人さんが好きなんだろう」とふと考えたとき、ウエストランドさんのネタで「お笑い好きな子は、仲良しコント師が好きなんだよ!」というフレーズに「それなんだよ!」と共感しました。芸人さんに限らずアイドルの方でもそうですが、仲が良くてリスペクトしあっている人を見てるのってすごく癒やされるし、それだけで笑顔になれる。私は日々、テレビやネットで見ているだけで笑いや癒やしをもらっています。そういう意味ではずっと救われ続けている気がします。

『M-1グランプリ2020』ウエストランドの決勝ネタ

「お笑いルーティーン」はお風呂でジャルジャル

久保ユリカ

――久保さんが必ずチェックされているお笑い系のテレビ番組やYouTubeの動画チャンネルなど、「お笑いルーティーン」のようなものがあれば教えてください。

先ほども話した『相席食堂』(ABCテレビ 毎週火曜23:17~)は、ある程度、配信分をためてから一気に観るようにしています! あとは王道ですが、『アメトーーク!』(テレビ朝日系 毎週木曜23:15~)と『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系 毎週木曜23:15~)も常に録画していますね。『ネタパレ』(フジテレビ系 毎週金曜23:40~)も好きで、面白い芸人さんを見かけたらYouTubeで探します。お笑いって観るタイミングも大事だなと思うので、録画をした中から、ごはんを食べながら見るのに合う番組を選んで観ています。

お風呂にスマホを持ち込んで、ジャルジャルさんのコントを観たりもしています。とんでもない数のコントをあげていらっしゃるので、一生観切れないだろうなと思ってるんですけど(笑)。

ジャルジャルが『キングオブコント』で優勝したネタ

――それで久保さんが1月からスタートしたラジオ番組『いまなら、いましか』(ラジオ大阪 毎週日曜22:00~/ニコニコ動画 毎週日曜22:30~)では、ジャルジャルさんのあいさつ「ジャルジャルでーす」みたいな感じで「久保ユリカでーす」とあいさつをされているんですね!

アハハハ……そうです(笑)。お風呂でずっとお二人の声を聴いているので頭から離れないんですよね。後藤(淳平)さんも福徳(秀介)さんも印象的なお声をされているので。

和牛の漫才や千鳥の芸人愛に感動

久保ユリカ

――それでは、ここからは久保さんが好きなお笑い芸人をあげていただけますでしょうか。

私、芸人さんの“箱推し”(芸人全体を応援すること)なので、選ぶのがめっちゃ難しいんですが、漫才なら和牛さん、バラエティーなら千鳥さんが好きです。

この2~3年で急激に好きだなぁと思ったのが和牛さんで、2018年の『M-1グランプリ』(毎年12月に開催される漫才日本一を決定する大会)で感動しました。絶対、和牛さん優勝だなと思ったんですが、僅差で霜降り明星さんが優勝して。和牛さんは(3年連続)準優勝になってしまいましたが、その流れにもめっちゃ感動しました。

和牛

和牛(C)ORICON NewS inc.

水田信二(ボケ担当)、川西賢志郎(ツッコミ担当)からなるお笑いコンビ。2006年12月結成。主な受賞歴は『第44回NHK上方漫才コンテスト』優勝(2014年)、『M-1グランプリ』3年連続準優勝(2016・17・18年)。吉本興業所属。

そこから自分の中で毎日「めっちゃ笑いたい」ブームが来て、2019年は「ルミネtheよしもと」(東京・新宿「LUMINE 2」7Fにある吉本興業の常設劇場)にも頻繁に通って、そこで「私、やっぱりお笑いが好きなんだな」って再認識しました。

――和牛さんの好きな漫才ネタというと?

たくさんありますが、2020年1月に京都の劇場でやられていた「シンデレラ」というネタは、生で初めて観たのですが、めっちゃ面白かったです。素人の私が観ていても「本当にうまい」と思う流れでしたし、和牛さんはお二人とも声が良くて聴きやすいのが漫才にもピッタリで、無理やり連れて行った母親もアハハと声を出して笑っていました。たぶんちっちゃい子が観ても笑えると思いますし、すごく好きなタイプのネタです。

久保ユリカ

――冒頭にも『相席食堂』のお話が出てきましたが、バラエティーでは千鳥さんがお好きなんですね。

千鳥さんの何がすごいって、他の芸人さんに対する愛がすごくないですか? 大悟さんもノブさんも、芸人さんに対して愛を持って、リスペクトしていじれる2人なので、なんかすごく感動しちゃうんですよね。ツッコミって技術が必要だし、“この人のこの魅力を引き出したい”という愛や尊敬があるのが伝わってくるからこそ、見ていて気持ちよくて。

千鳥

千鳥(C)ORICON NewS inc.

大悟(ボケ担当)、ノブ(ツッコミ担当)からなるお笑いコンビ。2000年7月結成。主な受賞歴は『ABCお笑い新人グランプリ』最優秀新人賞(2004年)、『NHK上方漫才コンテスト』優秀賞(2005・07年)。吉本興業所属。

去年の『M-1』直後にGYAO!で配信されていた千鳥さんMCの『世界最速大反省会』でも、ファイナリストたちに声をかけてあげる言葉一つ一つが、ちゃんとネタを見て話されているのが伝わってきましたし、目線もすごく愛がありました。

そういえば、たまたまラジオ局で千鳥さんをお見かけしたことがあるんですが、すごく興奮して、小さい窓からめっちゃ見ちゃいました(笑)。私が見すぎたせいかノブさんが会釈してくださって、優しかったです(笑)。

ラーメンズ小林賢太郎の引退は「すごくショック」

久保ユリカ

――コントでお好きな芸人さんはいらっしゃいますか?

ラーメンズさんが好きだったので、2020年11月に小林賢太郎さんが芸能活動引退を発表されたのはすごくショックでしたね。好きになったのは15~16歳の頃だったんですけど、当時はDVDを買うお金もなかったので、ヴィレッジヴァンガードでラーメンズさんのコントDVDをずっと再生しているコーナーに通っていました(笑)。さすがにずっと観ているのも気が引けるので、1コントずつ(笑)。大人になってからDVDを買いました。芸人という概念を覆すコンビでしたし、これからもずっと忘れられない存在だと思います。

ラーメンズ

『ラーメンズ DVD-BOX』ポニーキャニオン、2004年

『ラーメンズ DVD-BOX』ポニーキャニオン、2004年 Amazon

小林賢太郎、片桐仁からなるお笑いコントユニット。1996年結成。2009年の公演を最後にユニット活動が休止状態となり、2016年6月にNHK BSプレミアムで放送された小林のコント番組『小林賢太郎テレビ』で7年ぶりに2人が共演。2020年11月に小林が芸能活動を引退したことにより活動を終了した。

――ラーメンズさんのお好きなネタはありますか?

どれも伏線の回収が見事なのですが、特に「風と桶に関する幾つかの考察」は、めっちゃ流れがすごい。あとは、『TEXT』公演でやった「不透明な会話」というネタも、また別のネタで回収するのがすごくて……。お二人ともめちゃくちゃお芝居も上手ですし、コバケン(小林)さんはパントマイムもされるくらい器用な方なので、コントというよりは舞台を観ている感覚でした。実はきょうラーメンズさんのお話をしようと思って、昨日の夜にラーメンズさんのDVDを久しぶりに観たんですが、「すごっ!」と思いながら寝ました(笑)。

ラーメンズ『TEXT』より「不透明な会話」

――そうだったんですね! 愛が伝わってきます。ラーメンズさんは残念ながら小林さんの引退で活動終了となってしまいましたが、若手で注目されている芸人さんはいますか?

ハナコさんのコントが好きですね。それまでトリオのネタってどう見たらいいかがわからなかったんですが、ハナコさんを見て3人組って面白いなって気づかされました。それが入口になって、東京03さんの面白さにも気づきました。振り返ると、ロバートさんもトリオの感覚がないまま観ていたんですけど、3人がすごいバランスで成り立っていますよね。

『M-1』漫才論争はかまいたちの考察に共感

久保ユリカ

――『M-1グランプリ2020』についてもお聞きしたいのですが、優勝したマヂカルラブリーの「つり革」ネタが、ほぼ無言で動き回る野田クリスタルさんに対して村上さんがツッコミを入れる異色なものだったので、「漫才か否か」の議論を巻き起こしました。久保さんはどう感じられましたか?

私自身は王道の漫才が好きなのですが、世の中的にもいろんなことがあった2020年というタイミングで、明るい気持ちになれるというか、頭を使わずに笑えたという意味で、個人的にはマヂカルさん優勝でよかったと思いました。でも、『M-1』って難しいなって、特に2020年は芸人の皆さん、ネタ選びが難しかったんじゃないかなって思います。          

『M-1グランプリ2020』マヂカルラブリーの決勝ネタ

――準優勝のおいでやすこがさんも、絶叫芸のおいでやす小田さん、歌ネタを得意としているこがけんさんのピンでの活動をベースにした漫才で、通常のしゃべくり漫才とはまた違う角度からのネタでしたね。

兄がLINEで「おいでやすこが、めっちゃおもろかった」って送ってきました。「そうだね、ピン同士なのにすごいよね」って返したら、「えっ? ピンなん?」って驚いていたので、ピン芸人2人のユニットだと知ってもらえるうえでもよかったと思いました。

『M-1グランプリ2020』おいでやすこがの決勝ネタ

今後、おいでやすこがさんを番組で見る機会も増えると思いますし、3位の見取り図さんはそれこそ一番王道の漫才をされている印象があって、めちゃくちゃ面白かったです。見取り図さんは去年よりもめちゃくちゃおもしろかったので、もう1年かけたらもっとすごいもの、とんでもないネタを作ってくるんじゃないかという期待が大きいです。

『M-1グランプリ2020』見取り図の決勝ネタ

――久保さんにとって「お笑い」とはどんな存在なのでしょうか?

今の自分にとっては「教科書」になっている気がします。今回の『M-1』はさっきもお話ししたように、私自身はマヂカルラブリーさんが優勝してよかったと思ったんですけど、この気持ちをうまくまとめてくれる人がいないかなぁと思いながらいろいろネットを見て回ったんです。そうしたら、YouTubeで配信されていた、かまいたちさんの考察がめっちゃしっくりきたんです。

久保ユリカ

「M-1は会場でその日一番ウケた人が優勝なんです」「マイク1本で、4分間の中で面白いことをどれだけできるかということ」だと言っていて。さらに、「M-1は面白いことを言ったあとに、それをどんどん自分たちのカラーに塗り替えていく作業で、一番塗れた人間が結果勝つ。『スプラトゥーン』(地面にインクを塗り合い、塗った面積が多いチームが勝ちとなる対戦型ゲーム)だ」とも言っていて。「めっちゃわかる!」と共感しました。

かまいたちの『M-1グランプリ2020』考察

2~3年前までは「お笑い」を何も考えずにただ「面白いな~」「と笑いながら見ていましたけど、最近では自分に当てはめながら、いろんなことを考えて参考にしながら観てしまうんです。例えば、大人数のイベントに出演する場合の立ち回りに当てはめて考えたりするんですけど、“ここ”という場面で私のテンション感に対してツッコミができる人がいない場合、率先してボケられないときがあります。そうすると、のちにファンの方から「久保さんめっちゃ静かでしたね」ってお手紙をいただいたりしますが……(笑)。

久保ユリカ

――声優さんが笑いの立ち回りを考えているガチさに驚きです!

全体を見たうえで、こういうボケ方をして、こういう笑いにしたいと思っちゃうんです(笑)。無理してボケたいわけでも、むやみにツッコまれたいわけでもなく、場合によっては私がツッコミに徹する場合もありますが、もちろん、苦ではありません!

本来の私の“味”は、私個人のイベントやLINEライブ、ラジオを見聞きしていただければ十分伝わると思うので、ファンの皆さんにはツッコミに徹しているときも久保ユリカの味が出ていないと思わずに、楽しんでもらいたいんです。なので、どうすればそれがちゃんと伝わって、もっとうまく立ち回れるのかと考えるときに、「教科書」としてバラエティーを観たりしています(笑)。

久保ユリカ

――久保さんがいつか『相席食堂』に出演できる日を願っております(笑)。

アハハハハ。それはちょっと荷が重いですね(笑)。

プロフィール

久保ユリカ

久保ユリカ(くぼ・ゆりか)
5月19日生まれ、奈良県出身。2010年、『ラブライブ!』の小泉花陽役で声優デビュー。テレビアニメ『青春ブタ野郎』シリーズや『少女終末旅行』など数多くの作品に出演する。16年2月17日には1stシングル『Lovely Lovely Strawberry』でアーティストデビュー。17年11月には故郷の奈良市観光大使に就任した。2021年1月より、地元関西でラジオ番組『久保ユリカ いまなら、いましか』(略称ならしか)をスタート。ソロ活動5周年を迎える2月17日には、きゃにめ・奈良地域・配信限定シングル『君なら君しか』をリリースする。愛称はシカコ。

作品情報

配信限定シングル『君なら君しか』

ニューシングル『君なら君しか』(2月17日発売)

アーティストデビュー5周年記念日にリリースする2年ぶりの新作CDは、タイトルに「奈良」「シカ」が入った『君なら君しか』。カップリングには、ソロデビュー曲『Lovely Lovely Strawberry』のアコースティックバージョン『Lovely Lovely Strawberry あおによしVer.』が収録される。ポニーキャニオン通販サイト「きゃにめ」、アニメイト奈良&タワーレコード橿原店限定発売。3月13日には対象店舗・対象商品購入者を対象としたオンラインリリースイベントを開催する。

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この記事について
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
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