岡田健史の絵心を探る 自宅の一室をアトリエにして描く「アートの楽しみ」

岡田健史

2018年にドラマ『中学聖日記』で鮮烈なデビューを果たし、2020年にはドラマ4本、映画4本に出演し、最も勢いのある俳優の一人である岡田健史(おかだ・けんし)さん。その高い演技力以外にもファンを魅了しているのが、岡田さんの描く絵画たち。コロナ禍でのステイホーム期間に自身のInstagramに作品をアップし始め、人物画だけでなく模写なども披露し、多彩なタッチも注目を集めています。美術のセンスは母親譲りだと話す岡田さんに、影響を受けた作品、好きなアート作品などを語っていただきました。

撮影:石川咲希(Pash) スタイリング:藤長祥平 ヘアメイク:宮本盛満
記事制作:オリコンNewS

木彫りにも挑戦中 ジャンルレスなアート作品への興味

岡田健史

――岡田さんといえば、高校時代も野球部に所属していて、2019年にはヤフオクドーム(現ペイペイドーム)で行われた始球式で119キロの球速を記録するなど、野球のイメージが強いです。最初にInstagramにアップしたのは油絵でしたが、絵を描こうと思ったきっかけを教えてください。

昨年の初夏に携わったユニセフの活動(ユース難民アートコンテスト)がきっかけで、油絵をやってみようかな、と。描いてみたら思った以上に面白くて、それが今の絵描き活動につながっています。でも、もともと絵が好きなんですよね。

岡田さんがInstagramで初めて公開した油絵

――昔からお好きだったんですね。それはいつ頃からですか?

保育園の頃からです。僕が描いた一番古いものだと、絵本の絵を模写したものがあります。絵本の題名は忘れてしまったんですけど、画用紙に描いて、大事に持っていたので、今も実家にあるかもしれません。描いたことは今でもすごく鮮明に覚えてますね。棚を斜めに見た構図で、色えんぴつで棚に飾ってあるものを子どもなりに忠実に描きました。みんなから「上手だね」と言われたので、最初は褒められたいから描いていたんだと思います。自由帳や画用紙が、ずっと好きでしたね。

岡田さんの幼少期

――絵が好きでも、途中で描くことを止めてしまう人も多いと思います。中学校や高校時代も描かれていたのですか?

描いてましたね。絵しりとりが好きで、こっそり授業中にやっていたり……今は時効かな(笑)。何かと絵は褒められることが多かったです。でもそれよりも、描くことがとにかく好きでやっていました。自分の母親が、絵がとても上手なんです。父親は絵心がないんですけど(笑)、その感性が受け継がれたのかな。

岡田健史

――そんな中で、岡田さんが見たアート作品で印象的だったものを3つ教えてください。

難しいですね。あまり「誰が描いているか」で作品を見ていないんです。Instagramなどで見ていると、自身の作品を上げているアカウントもあれば、いろんな作家の作品を集めて上げているアカウントもあるので……。

でも、挙げるとすれば、木彫りです。最近、自分でも長方形の木を買ってきて、我流でやっています。まぁ難しくて、今は中断しているのですが……。3Dで表現するのが、こんな難しいんだということが分かり、彫刻家の方をとても尊敬しています。自分でやっていても思ったようにいかないです。YouTubeか何かで見たのですが、大木をまずはチェーンソーで削りはじめて、細かく削っていきながら、僕の好きなアニメのキャラクターを作ったりしていて、すごいなと思いました。

あと、佐野凛由輔(さの・りゅうすけ)さんの絵は大好きです。Instagramでふと流れてきたことから作品を知ったのですが、すごいなと思いました。

あとは、光を照らして、できる影がアートになる作品。光が当たっている物体は影からは想像もできないような物体だったりする。アートって面白いですよね。以前訪れたロサンゼルスではゲッティ美術館に、パリではルーブル美術館に、時間が許す限り行きました。機会があればそういうところに行くぐらい、アートが大好きです。

“影”に興味「2次元の中に魂が宿る」

岡田健史

――いろいろなジャンルの作品に興味をお持ちなんですね。では、岡田さん自身が絵を描きたいと思うタイミングは、どんな時ですか?

描きたいものが出現するタイミングというのがあるのですが、それがいつ、どういう時なのかは分からないです。決まった時間もないですし、1週間のうちに必ず何日かあるわけではない。描きたいと思う時はふいに訪れます。

最近は影に興味があります。影をつけるだけで2次元の中に魂が宿る。存在感が生まれるんですよね。影って大事なんだなと感じます。“陰と陽”じゃないですけど、その関係性が理にかなうんだなと思う瞬間でした。今は影をうまく描けるようになりたいです。浅野忠信さんが描かれている絵を見て、そう感じました。

独創的な作品が並ぶ浅野忠信さんのInstagramより

――Instagramにアップされている作品を見ると、いろいろな画材を使っているように見受けられます。

まずは油絵を描くための画材を買って、そこから集めるようになりました。水彩画風に描けるマーカーも使ったりしています。グラデーションもかけやすいんですよ。あるドラマをクランクアップした時に、プロデューサーさんが「好きでしょ?」と買ってきてくださいました。こんなのもあるんだ、と発見でした。油絵は気合を入れないと描けないから、寝る前とかで「ちょっと描こうかな」と思った時に、そのマーカーを使ったりしています。

家にはアクリル絵の具もありますが、まだ手を伸ばさなくてもいいと思っているので使っていません。今は油絵の絵の具とペンと鉛筆とマーカーを使っていますが、いつかはアクリル絵の具にも挑戦したいですね。

岡田健史

――寝る前に絵を描かれることもあるんですね。

寝る前が多いです。仕事がある日は、朝は仕事の準備をして、日中は仕事をする。帰ってきて、反省が多い日は余裕がないですが、余裕がある日は描こうと思いますね。家にアトリエスペースがあって、基本、そこで描きます。大掛かりじゃないものは食卓で描いたりしています(笑)。

話題を集めた『MIU404』の4連作 星野源&綾野剛から喜ばれ「励みになります」

岡田健史

――昨年の6月には、出演した連続ドラマ『MIU404』に出演する星野源さん、綾野剛さん、麻生久美子さん、橋本じゅんさんの肖像画を公開しました。大きな反響があったのではないでしょうか。

(描きあげるのに)全部で20分もかかっていないと思いますが、橋本じゅんさんは喜んでくれて「健史、ちょうだいよ!」と言われたのでプレゼントしました。星野さんや綾野さんからも「ありがとう」とか「面白いね」と言っていただけましたね。勝手に描いただけなんですが(笑)。そういう一言は励みになります。

岡田さんが描いた橋本じゅんさん

――それ以降、さまざまな作品をアップしていますね。公開することで新たな気付きなどありましたか?

最近面白いなと思ったのは、他の人に題名をつけてもらう、ということですね。一度、制作途中の段階で題名をつけてもらったのが、めちゃくちゃセンスがあったんです。これのためにやっているのかな?と思うぐらい面白かったですね。           

岡田さんが描いた綾野剛さん

――ファンのみならず多くの方から反響があったと思います。

以前からの知り合いの方が、僕が絵を描き始めてから「岡田くん、絵が好きなんだね」と話しかけてくれて、その人の新たな一面を知ることができました。その人が言っていたんですが「絵を描くことは頭にいい」と。確かに、そうなんです。

例えば、今ここにあるペットボトルについて考えてみるとして、絵の題材じゃなければ「6割ぐらい入っているな」とか「雫が内側についているな」「緑色だな」「賞味期限が書いてある」ぐらいにしか思いません。でも、絵を描くとなると、もっといろいろな視点で見ないと表現できないんです。僕の限られた画材の中だと、例えばマーカーだったら「この部分を、この明るさで描くと、それ以下の暗さは使えないな」とか、ちゃんと計算していかないと絵として成立しなくなる。

ただ描くだけならもちろん描けるんですが、よりよい作品にするなら、人やものにいろいろな視点を持たないといけない。その視点が生まれることがある種の学びになっていますし、役者の仕事のためにも良いことだと思っています。それに気づけて“絵を描くことはいいこと”と自分を肯定できました。

画材屋は心が躍る場所 絵を描く時間は「楽しい時間」

岡田健史

――バリエーションが豊かな作品たちですが、モチーフの選定基準はあったりするのですか?

僕の好きなものしか描いてないですし、逆に好きじゃないものは一切、描かないです。知人から「いろいろな描き方しているから面白いよね」と言われました。確かに、そうだな、と。別に違いを見せたくてやってるわけじゃないんですが(笑)。好きなだけでやっているので、こんなにモチーフや描き方が偏らないのは自分でも面白いですね。

岡田さんのInstagramより『感電』

――これだけアートが好きだと、普段から個展・展覧会にも行ったりするんですか?

時間があれば行くのですが、なかなか行けていないです。今は画材屋さんに行くのが、めちゃくちゃ楽しいです。ウキウキします。すごく高い画材もあったりしますが、僕はプロでもなんでもないので、そんなに高いものは買っていないです(笑)。今は、いっぱい描けるものを集めています。

岡田健史

――なるほど(笑)。いま、絵を描くということは岡田さんにとって、どういう時間になっていますか?

単純に「楽しい時間」という感じですね。

――では、ご自身の個展開催など、絵に関して今後の目標はお持ちでしょうか?

特にはないですかね。人の作品を見て「これはどうやって描いたんだろう」や「こんな風に描けるようになりたいな」と思ったりはしますが。僕も、それぐらいなので、みなさんも、いち趣味として僕の絵を見守ってください(笑)。

 

スペシャル動画

 

プロフィール

岡田健史

岡田健史(おかだ・けんし)

1999年5月12日生まれ、福岡県出身。2018年に俳優デビュー作となるTBS系ドラマ『中学聖日記』で黒岩晶を好演し、注目を集める。NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2月14日スタート、毎週日曜 後8:00 総合ほか)に吉沢亮演じる主人公・渋沢栄一の従弟・尾高平九郎役で、日本テレビ系連続ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(毎週水曜 後10:00)に浜辺美波演じるオタク女子大生・空と同じ大学に通う入野光役で出演。整った顔立ちと、180センチというスタイルで多くの作品で存在感を発揮している。

作品情報

『岡田健史カレンダー2021.04-2022.03』(東京ニュース通信社)

『岡田健史カレンダー2021.04-2022.03』(東京ニュース通信社)

カメラマンに黒沼諭氏を迎え、“プライベート旅”をテーマに、富士山と河口湖を臨むリゾート地で撮影。モーニングルーティーンを再現したり、自身初のピザづくりやカヌー体験に挑戦したりと、一緒に旅行に来ているかのような気分を味わえる特別感のある4月始まりのカレンダー。昨年のカレンダーと同様に写真と日付部分がセパレートになっているため、お気に入りの写真を選んで飾れるファンにはうれしい仕様に。撮影時のメイキングDVDも付属。また、Amazon限定版カバーも制作され、通常盤と一部内容が異なるメイキングDVDも付属する。価格は3000円(税抜)。

 

PICK UP

この記事について
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
ORICON NEWS