10年以上続けられるのは「本気で遊んでいる」から 竹財輝之助の草野球“熱”

竹財輝之助

ジャンルを問わず数多くのドラマや映画に出演している俳優の竹財輝之助さん。子どものころはサッカー一筋でしたが、大人になってから草野球にのめり込み、今では10年以上のキャリアを誇るほどに。なぜそこまで草野球に対し熱意を持って取り組んでいるのか。その魅力についてお話をうかがいました。


撮影:小倉直樹 取材・文:遠藤政樹
記事制作:オリコンNewS

“ルールを知らない”助っ人からのスタート

竹財輝之助

――草野球が趣味とのことですが、もともと野球経験はあったのでしょうか。

実は子どものころは、ずっとサッカー一筋で、野球は全くやっていなかったんです。

――野球を初めてプレーしたのはいつですか?

25、6歳の時ですね。友だちに誘われて初めてキャッチボールをしました。

――今のチームにはどのようにして入団したのでしょうか。

同い年の役者から「チームを作るけど人数が足りないから来て」と誘われました。チームを作る前にも、何回か練習試合の助っ人で行ったことがあり、そのときは正直に「野球知らないよ。ルールも知らないから」と伝えたのですが、「バットを持って立っていてくれればいい」と言われました(笑)。野球経験はそこから始まっていますね。

ただ、野球をやろうと思ったのは、当時フットサルがきつくなってきていたというのもあります。

竹財輝之助

――常に走り回るのがつらくなってきたと(笑)。

ええ(笑)。前はちょこちょこはやってはいたんですけど、気づいたらサッカーを辞めて3~4年経ってしまって。

キャッチボールをして面白かったというのもあります。野球経験者には当然なのかもしれませんが、ボールの握り方や投げ方で球筋が全然変わるし、グローブで捕球する際もすごく気持ちいいとか、初心者だった当時はそういうところから「野球面白いな」って感じました。じゃあ「チームを作るならやってみようか」と。

竹財輝之助

――ところで、竹財さんは右利きなので右投げだと思いますが、打席はどちらですか?

左打ちです。

――右投げ左打ちは近代野球ではポピュラーですが、左打ちにした理由は何かありますか?

助っ人で試合に出た時、最初は右で打っていたのですが、腰を痛めてしまい、右で振ると痛くなっちゃって……。それで左で振るようになったんです。そうしたら「そっちの方がスイングはきれい」と言われて「本当に!?」って(笑)。それで左打ちにしました。

竹財輝之助

――意外な経緯ですね。左打ちの好打者はプロ野球にも多くいますが、打ち方を右から左に変えるのは大変そう。誰か参考にした人はいますか?

(元広島東洋カープの)前田智徳さんと(元メジャーリーガーの)イチローさんの打ち方を人から教えてもらって。「イチローはちょっと特殊だし、前田のマネは難しいけど、この2人は参考にできるから見ておきな」と言われて練習しました。今ではすっかり左打ちですね。

満塁ホームラン放つも「感触覚えてない」

竹財輝之助

――初プレーした時の感想は?

最初は全然楽しくなかったです。ルールがわからないから(笑)。ただ人数が足りないから、いきなりレギュラーだったんです。

――なるほど、ルールがわからずプレーしていたら楽しくはないですよね(笑)。当時の守備位置や打順は覚えていますか?

ライトですね。「ここボール飛んでこないから」って。打順はよく覚えてはいないのですが、9番だったと思います。

竹財輝之助

――当時はルールがわからなかったとのことですが、今は?

ある程度は。たまにわからないときもありますけど。ただ、うちのチームはサインがわかる人がいないので、サインを出しません。細かい戦術もわからないですけど、もう三塁にいきなり走るようなことはなくなりました(笑)。

――ということは、最初の頃は打ったあとに三塁に走ったことも……。

ありましたね(苦笑)。バットにボールが当たったのはいいけど、どっちに走ればいいのかな?って。

竹財輝之助

――見ている方はびっくりですね。では、印象深かった初ヒットの思い出は?

助っ人で試合に参加した時、実は満塁ホームランを打っているんです。外野の一方向がすごく狭い野球場があるんです。多分、上からたたきつけるような「大根切り」(※極端なダウンスイング)をしていたと思いますが、それで入っちゃったんですよね。インパクトが強いのでそれは覚えているけど、初ヒットはどれだろう(笑)。

――たしかに初ホームランの方が忘れることができなそう。でもホームランならかなり気分も良かったのでは?

感触とか全く覚えていないし、「おお入っちゃった。えっ、ホームラン?」って感じだったから、気持ち良くもなかったですね。

竹財輝之助

――手応えゼロは残念ですね。入団当時は9番ライトとのことでしたが、経験を重ねた今の打順やポジションは?

1番センターがもっとも多いのですが、守備位置に関しては、そのとき空いている外野のポジションで出場することもありますね。

――1番を任されるということは、俊足だったり出塁率が良かったりするのでしょうか?

走力については多分そうです。チームメイトは平均年齢40歳ぐらいと、基本的におじさんばかりなので、そのなかでは(笑)。他チームも似たような感じなので、内野に球を転がしておけばヒットになる確率が高いんです。

竹財さんの野球風景

竹財さんの野球風景
――左打ちなら一塁ベースも近くて有利ですし、守備の動きが遅いとなればなおさらですね。

はい(笑)。だから打率が良くて、結果として1番を任せられているのだと思います。

――俊足ということは積極的に盗塁も?

相手ピッチャーによりますけど盗塁もします。やっぱり草野球でもけん制が上手い人はいて。僕たちはリーグ戦に参加しているのですが、なかには甲子園経験者とかノンプロとかもいます。

たまにプロ野球を引退した人が来ることもあるのですが、さすがにその人たちはずるいなと思います(笑)。そういった相手の場合、リードはちょっとしかとらないですね。けん制で刺されてしまうので(笑)。いつけん制を投げてくるのか全然わからない。すごいですね。

竹財輝之助

――特に「この人はすごかった!」という人はいますか?

対戦相手ではないんですけど、昔ヤクルトにいた鎌田(祐哉)さんという方がいて、現役のときに一度だけ軟式を投げてくれたことがありましたが、とにかくすごかったです。

よく「ボールが消える」とか言いますよね。冷静に見たら、ただボールが変化して曲がっているだけでしょうけど、バッターボックスに立ったら、鎌田さんが投げた球は本当に消えて! 「プロってすごい!」「何かを極めた人って想像以上だな」って思いましたね。

野球ができないとストレス……「ヒットを打つと発散できる」

チームメイトとの1枚

チームメイトとの1枚
――先ほどチームの平均年齢の話題が出ましたが、チームメイトにはどのような方々がいるんですか?

ミュージシャンや役者、アナウンサー、それに一般人もいますね。ミュージシャンだと、ノーナ・リーヴス(NONA REEVES)の(西寺)郷太さんが監督で、弟さんがキャプテン。郷太さん周りの人たちがチームを作っている感じです。俳優だと永岡佑や富田翔と一緒にやっています。

――さまざまなジャンルの方が所属しているんですね。参加されているリーグ戦の規模を教えてください。

2つのリーグに参加していて「東京大リーグ」というのが7チーム、早朝にプレーする「早朝リーグ」の方は8チームぐらいあるのかな。4月から11月くらいまで半年ぐらいかけて開催されていて、2リーグ合わせて年間40~50試合くらいはやりますね。あとは空いているときに練習試合を入れることもあるので、一番多かった年だと、60何試合やったことがあります。

竹財輝之助

――思ったより試合数が多いんですね。ではスケジュールさえ合えば全試合参加も?

そうですね。行けるときは全試合行きます。始まりが昼以降だったら、だいたい顔を出しています。

――それほどハマっていると、野球ができない間はストレスが溜まることもあるんですか?

あまり試合に出られていないと、やっぱり溜まります。去年は特にストレスが溜まりました。ドラマ『東京男子図鑑』をやっていて、ちょうど一番いい時期が取られてしまって……って、もちろん冗談ですよ(笑)。

ただ、僕は季節的に体が動くようになるのが暖かくなってからなので、その時期に試合に出られないと、“打率が稼げない”というストレスは感じます。

竹財輝之助

――「打率が稼げないのがストレス」というのは、もはや“本職”の域ですね。ストレス解消にも役立つ草野球とのことですが、最も発散できる瞬間はどんな場面ですか?

ヒットを打ったとき。あとは盗塁したときや、取れそうにないホームランボールをもぎ取ったときもストレス解消につながります。

所属する草野球チームは“変態”が多い!?

竹財輝之助

――最近、印象に残っているプレーはありますか。

守備のほうで、ついこの間、打者を刺したライトゴロ2本。気持ち良かったですね。

竹財輝之助

――ライトゴロで打者をアウトにするのは痛快ですね。しかも2回も。どのようなシチュエーションだったのですか?

ちょっと小さい球場だったんですが、そこでは速いゴロを打っちゃうとライトゴロになりやすいんです。とにかく気持ち良かったですね。

――お話をうかがっているうちに、どんどん草野球をやってみたくなってきました。そんな魅力的な草野球ですが、竹財さんの生活の中ではどのような存在なのでしょうか。

おじさんたちの息抜き、みたいな感じ。うちのチームは働いているおじさんばかりで、そんな人たちみんながキャッキャッやっています。仕事以外では今、一番楽しい時間ですかね。

竹財さんの草野球チーム

竹財さんの草野球チーム
――大人たちの草野球は、試合後の打ち上げも楽しそうですね。

それが、みんなそのまま仕事に行っちゃうので、試合後の打ち上げは行かないんです。打ち上げをやるのは、年末の優勝決定戦後の忘年会ぐらいかな?

――もはやプロ野球選手のような雰囲気が漂ってますね。

そうですね。うちのチーム、“変態”が多いんですよ(笑)。

竹財輝之助

――えっ!? どういうことですか?

一般企業に勤めている人もいるのに、平日の早朝でも試合に来る。試合後にどうやって会社に行っているのか不思議だったんだけど、どうやら会社にスーツを置いていて、会社のシャワー室を使ってるみたい。たまに「今日、午前休を取った」なんて人もいて、さすがに「草野球だよ?」と思いました(笑)。

――(笑)。竹財さんはじめ、チームメイトの皆さんの本気度が伝わってきますね。

本気だから楽しいのだと思います。僕も遊びは本気でやるタイプ。チームには、そういう人たちが集まっているから、余計に楽しいのだと思います。

そういう意味では、今は草野球が生活の大事な一部になっています。おかげで高校サッカーより高校野球を見るようになりました。

竹財輝之助

――サッカー一筋だった頃を考えると、すごい変わりぶりですね。では最後に、草野球での今後の目標があれば教えてください。

去年は3連覇を逃したので、今年はまた優勝をかっさらいたいなと思っています!……なんですかね、この発言(笑)。

――野球選手のインタビューみたいですね(笑)。

たしかに(笑)。

スペシャル動画

 

ドラマ情報

『東京男子図鑑』


『東京男子図鑑』(全10話)4月30日カンテレで放送スタート(毎週木曜 深0:25※関西ローカル)
放送翌日午前10:00より、カンテレドーガ、TVerなどで配信

あなたの目に映る東京は、どんな街ですか。
これは、ある東京男子の20年間の物語。千葉県浦安の実家から都内の有名私立大学に通っていた翔太(竹財輝之助)は、恋人が年上の金持ち男と遊んでいることを知り、「女は結局、カネなんだ」と東京でのし上がることを誓う。一流商社に就職し、カネにも女にも不自由しない生活を手にした翔太。しかし、女遊びもせずに働く同期の小島(落合モトキ)との出世争いや、年収3000万円以上の男との結婚を望むみなみ(田中シェン)との恋愛を通して、少しずつ価値観が変わっていく。ベンチャー企業のCEOになっていた同級生・一馬(森岡龍)との再会によって人生が大きく変わった翔太は、部下として出会った瑠璃子(市川由衣)との付き合いを経て、東京で生きることの意味を見つめ直すことになる。 金と仕事と女に奮闘しながら年齢を重ね、翔太が辿り着いた場所とは……。

 

プロフィール

竹財輝之助


竹財輝之助(たけざい・てるのすけ)
1980年4月7日生まれ、熊本県出身。O型。
テレビ朝日系特撮『仮面ライダー剣』、TBS系ドラマ『アンナチュラル』、フジテレビ系ドラマ『ポルノグラファー』、映画『蟹工船』『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』『ママレード・ボーイ』など数多くのドラマや映画、舞台に出演。

 

この記事について
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
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